窒素ガスのウソ・ホント

Yoshiya

2009年10月12日 10:27

ブームが一段落した感のある「窒素」ですが、そのホントのところを知る人は少ないのではないでしょうか。
かくゆう私も知らなかったのですが、講習会でその真実を入手しましたので、皆さんにも知っていただきたくお知らせいたします。



窒素ガスは抜けにくい?

窒素ガスをタイヤに充填すると「抜けにくく」なります。
これはタイヤ内に100%の窒素を充填した場合で、「タイヤ内の空気を排出してから、窒素ガスを充填する方法」では窒素の比率が95%程度にしかなりません。これを2回繰り返すことによって98.8%になりほぼ100%に近い比率まで高めることができます。
当店ではこの方法で窒素充填をしています。
ちょっと本題からずれてしまいましたが、空気中の酸素は「活性ガス」で分子がゴム層の中に「溶解」し、最終的にはタイヤの外部へ洩れてしまいます。
それに比べ窒素は「不活性ガス」なのでこのようなことが少ないのです。

窒素ガスは乗り心地が良くなる?

「気体の音の伝搬速度が違うから」乗り心地が良くなるというのは本当でしょうか?
伝搬速度が遅いほど、ノイズが伝わりにくいのは理論的には理解できますが、実際には窒素の方が酸素より伝搬速度が速く、乗り心地が良くなるという説には疑問があります。

窒素ガスを入れると燃費が良くなる?

前述したように、窒素は抜けにくいので空気圧の低下が防げ、結果として燃費が良くなるといえます。すなわち同じ空気圧であれば、窒素でも酸素でも燃費は同じといえます。

「窒素はあまり役に立たない」ということを書いているように思われるかもしれませんが、実はそうではないのです。
最も重要なところは、窒素が水分を含まないということなのです。
圧縮空気の場合、水分が混入しやすく水分がタイヤの中で気化すると、なんと1350倍にも膨張しタイヤの空気圧を上昇させるのです。
さらにタイヤを発熱させたり、ホイールを腐食させたりするのです。F1マシンや航空機のタイヤに窒素が充填されているのはこのためなのです。
体感することが難しい「窒素」ですが、愛車のためには大きな武器となってくれると思います。